新潟県柏崎市郊外にある大字女谷(おなだに)にある下野(しもの)、高原田(たかんだ)の二つの集落に伝承されてきた芸能です。女性が踊る小歌踊が有名ですが、男性による囃子舞、狂言をあわせた三種類の芸能を総称して綾子舞と呼んでいます。
初期歌舞伎の面影を残す貴重な芸能
綾子舞の伝承と由来については、約500年前に上杉房能の奥方綾子が伝えたとする説、京都北野神社の巫女文子が舞ったものが伝わったという説など様々な説があります。その一方で、400年前の阿国歌舞伎の面影をよく残しているともいわれています。扮装や振り、歌詞、囃子に三味線が入らないなど、出雲阿国が演じた踊りと極めて似るものがあり、また狂言にも若衆歌舞伎の演目を伝えていることから、初期歌舞伎の姿をとどめる貴重な芸能として注目されており、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。 |